’00 19/Oct 社会科時事問題チェックリスト ↑home
政治 □ 長野県知事選で作家の田中康夫氏当選…従来型の県政に有権者がNo!
□ 空転する国会…与党の参院選比例区への非拘束名簿方式導入をめぐって
□ 宮城県情報公開条例改正案…県知事と県警が対立、廃案へ
□ 永住外国人への地方参政権…自民党内に根強い反対論
□ 小・中・高での奉仕活動を義務化…教育国民会議
環境 □ 日の出処分場行政代執行…建設反対派の共有地へ行政代執行
国際 □ ノーベル平和賞に金大中氏…朝鮮半島の緊張緩和へ貢献
□ 緊迫する中東情勢…パレスチナ(PLO)とイスラエルが激しく対立
□ ユーゴスラビア民衆革命…ミロシェビッチの民族主義政治の終焉
□ 来日した各国要人
社会 □ 三宅島雄山噴火…全島民避難
□ ノーベル化学賞に白川英樹氏…導電性のプラスチックの研究開発で
□ 鳥取西部地震…鳥取県西部から島根県にかけて強い地震
□ 国民栄誉賞…マラソン金メダルの高橋尚子選手に
政治 |
10月15日に行われた長野県知事選は、即日開票の結果、作家の田中康夫氏(44)が、「政・官・業」の支持をバックにした前副知事の池田典隆(ふみたか)氏(58)、共産党推薦の中野早苗氏(52)らを大差で破って初当選した。田中氏は、副知事経験者が40年余りトップを務めてきた県政に変革を求める一部の経済人らの要請を受けて立候補。知名度を生かし、県民の間にくすぶっていた「官僚主導県政」への不満をすくい取る形で、無党派層を中心に支持を広げた。
東京都知事選などで見られた既成の政党や政治手法に対する有権者の強い不満が、大都市圏だけでなく地方にも及んでいることを示した。投票率は69.57%で、総選挙と同日だった前回の70。 .71%を下回ったが、同知事選単独では1979年の74.07%以来の高さとなった。今回の知事選は、5期20年務めて引退する吉村午良(ごろう)知事の事実上の後継者として、共産党を除く県議やほとんどの市町村長、業界団体などからいち早く推薦を取り付けた池田氏と、こうしたやり方で副知事経験者が知事職を引き継ごうとする流れに反発する経済人、文化人らに擁立された田中氏が激しく競り合い、「官」対「民」、「組織」対「個人」という構図が鮮明になった。
田中氏は、長野五輪招致活動費の会計帳簿が焼却されたとされる問題や、県の情報公開度が低いことなどを指摘して官僚主導の県政を批判。阪神大震災での独自のボランティア活動や、神戸空港建設反対の市民運動を展開した実績を強調し、「県民が自由に発言でき、参加できる県政を目指したい。長野県をみんなで変えよう」と訴えた。立候補の正式表明が告示の約3週間前と出遅れたが、小学校から高校まで県内で過ごしたつながりや、知名度の高さも手伝い、勝手に支持を表明して運動する「勝手連」が各地に誕生。若年層を中心に急速に支持を広げ、都市部で圧倒的な強さを見せた。
長野五輪で公共事業を前倒しした影響で、目立ったプロジェクトがなくなったことや、長引く不況による県内の閉そく感も対立候補の池田氏に不利に作用したとみられる。
― 長野ショック ―
長野県知事選で、政官業の「総保守」に支えられた前副知事が作家の田中康夫氏に完敗した「長野ショック」は、来年夏の参院選に向けて選挙制度を変えてまで業界票の掘り起こしにかける自民党に深刻な衝撃を与えた。「既成勢力が飽きられた。参院選対策をどうしたらいいかわからない」(森派の小泉純一郎会長)と戸惑いが広がる。一方、民主党は「既得権益を守ろうとする自民党の組織選挙が県民の怒りを買った」として、自民党に反転攻勢をかけるきっかけに、と期待している。
長野ショックは、「無党派層の反乱」だけではない。経済界や建設業界など「保守の地盤」にも亀裂が入り、公共事業や補助金をテコに締め付ける従来型の選挙手法が失敗に終わった。自民党が参院比例区に非拘束名簿式の導入をめざすのは、業界団体の票の掘り起こしが最大の目標だが、参院橋本派幹部は「単純な締め付けでは反発がでることが、長野でわかった。参院選ではよほどいい候補者を選ばないと」と参院選対策の練り直しが必要だとしている。
6月の総選挙でも指摘された都市無党派層の「保守嫌い」が地方へと波及している現状も浮き彫りになった。加藤紘一元幹事長は「県の出納銀行の頭取ら保守層が政党に反旗を翻した。参院選に向け自信を喪失するきっかけになりかねない」と指摘する。
臨時国会は、与党の提出した参議院比例代表への非拘束名簿方式の導入をめぐり、与野党が激しく対立し、野党の審議拒否が続き、参議院議長の斡旋も不調に終わり議長が辞任するという異常な事態となっている。
― 非拘束名簿方式 ―
+長所+
- 非拘束名簿式は、得票の多い順に当選するという完全個人競争だった旧全国区の「タレント性」を、政党単位の選挙である比例代表にもぐりこませたような制度。原則個人名での投票になる(政党名でも可能)ことから、政党名だけの投票に比べれば「候補者の顔が見える選挙」になり有権者の意志を反映する選択肢は広がることになる。
−短所−
- 旧全国区とは違って政党名と個人名の合計得票を政党の総得票数とし、それをドント式で各党に議席配分するため、大量得票した候補者が党全体の得票数を底上げし、少ない得票の候補者が当選することもある。比例代表の場合、1候補者の当選ラインは70万票前後とされるが、全国的に知名度が高いタレント候補が仮に200万票を獲得すれば、1人でほぼ3人分の当選票を稼ぐことになり、当選ラインに遠く及ばない候補者も当選圏内に押し上げるというわけだ。逆にある党の候補者が50万票獲得して落選しても、40万票の得票しかない他党の候補者が当選する場合もある。
- 選挙運動がかつての全国区のように政党を離れ、候補者個人を主体にした運動になれば、莫大な選挙資金と過酷な選挙運動が再来することになる。非拘束名簿の導入を目指すのであれば、候補者個人の選挙運動を大幅に制限するなどの歯止めを設けないと、かつて比例代表を導入した時の反省はどこへ行ったのかということになる。
非開示の判断に県警の裁量を認めるかどうかで宮城県と県警が対立している情報公開条例改正案について、同県議会は定例会最終日の10月10日、県警の主張に沿った修正案をいったん賛成多数で可決したが、浅野史郎知事が“拒否権”に当たる再議権を行使。再度の採決の結果、成立に必要な3分の2以上の賛成が得られず、修正案は廃案となった。原案も、採決の結果賛成少数で廃案となった。
「憲法上疑義がある」などの根強い反対意見を党内に抱えたまま、自民党は、永住外国人に地方選挙権を付与する法案について、9月21日に開会する臨時国会で、公明党の求める審議入りに応じる方針を固めた。成立に積極姿勢をみせる公明党や、22日に金大中(キムデジュン)大統領が来日する韓国への配慮などから、審議入りは不可欠と判断した。
しかし衆院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会(倫選特)で十分な審議日程の確保が難しくなったため、今国会での成立が困難な見通しとなった。自民党内の意見集約が難しいうえ、同法案を推進してきた公明党内でも今国会での成立にこだわらない空気が出ており、同法案は来年の通常国会に先送りされる公算が大きくなった。
森喜朗首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」(江崎玲於奈座長)は4日の全体会議で、先の分科会報告に盛り込まれた「18歳の国民すべてに1年間の奉仕活動を義務づける」という案について話し合った。その結果、同じく分科会報告で示された「小・中・高校での奉仕活動の義務化」を先行させ、社会的な認知を得た後で実施する――いう考えで一致した。
小・中学校については2週間、高校では1か月間、奉仕活動を義務化するという分科会報告の内容については、期間を含めて異論は出なかった。
| 環境 |
東京都日の出町の一般廃棄物最終処分場「二ツ塚処分場」の第2期工事をめぐり、反対派が共有していた約460平方メートルの土地にある工作物や立ち木などを撤去する行政代執行が10月14日、終了した。都による代執行は10日から始まり、14日午前8時半すぎ、埼玉県入間市内の倉庫への撤去物の搬入と、事業者の「都三多摩地域廃棄物広域処分組合」への土地の引き渡しが完了した。都は今後、約2800人の元地権者に物件の引き取りと代執行費用約3000万円の支払いを請求する。
日の出処分場をめぐっては、反対派が、防水シートの破損による地下水の汚染や処分場付近のダイオキシン濃度の上昇などを指摘し、環境面での安全が証明されていないと、建設に強硬に反対してきている。
| 国際 |
ノルウェーのノーベル賞委員会は10月13日、2000年のノーベル平和賞を金大中・韓国大統領(74)に授与すると発表した。受賞理由として、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との和平と和解により朝鮮半島の緊張緩和に大きく貢献、韓国と東アジアの民主主義における人権の発展に尽力したことを挙げている。韓国人のノーベル賞受賞は初めて。
金大統領は97年の大統領選挙で当選。98年2月の就任以来、半世紀以上にわたり敵対関係を続けてきた北朝鮮に対し、「包容(太陽)政策」と呼ばれる政策を推進し、今年6月に訪朝して金正日(キムジョンイル)総書記と初の南北首脳会談を実現させ、歴史的な南北共同宣言に署名した。また、日本はじめ近隣諸国との関係改善にも努めた点が、受賞理由として評価されている。
授賞式は12月10日にノルウェー・オスロで行われる。賞金は900万スウェーデン・クローナ(約1億円)。金大中氏は賞金の使途について、社会に貢献できることに使いたいと述べている。
パレスチナ(PLO)とイスラエルの間でここ数年でもっとも激しい衝突が続いている。武力で勝るイスラエルの激しい攻撃で少年を多数含むパレスチナ市民に犠牲が出ている。助けを求めるパレスチナの一般市民の父子がイスラエルの銃撃の犠牲になる痛ましい映像が流れたことなどから、イスラエルに対して世界中から激しい非難が集中しているが、その同情を和平交渉の武器にしようとするパレスチナへの批判もある。
今回の衝突の発端は、イスラエルの右派勢力の実力行使である。9月28日(現地時間)に、イスラエルの右派政党リクードのシャロン党首が、帰属をめぐってパレスチナとの間で論争中のエルサレム旧市街のイスラム聖地「ハラム・アッシャリーフ(ユダヤ名・神殿の丘)」への訪問を強行し、これが今回の衝突の直接の引き金になった。シャロン党首は数日前から同地が「ユダヤ教の聖地でもある」と訪問を予告、警察に警護を要請していた。しかし、パレスチナ側は「イスラム教徒への挑発だ」と非難し、逆に警察側に中止を要請。イスラエルの与党・労働党の間でも、衝突に発展しかねないとの懸念の声が上がっていた。
10月17日(現地時間)、暴力停止などに合意する共同声明が出されたが、パレスチナのアラファト議長、イスラエルのバラク首相の双方とも署名はしておらず、今回の衝突の停止が実現するかはなお未知数である。
ユーゴスラビア連邦(セルビア、モンテネグロ両共和国で構成)のミロシェビッチ大統領の即時退陣を求める民衆が10月5日午後、首都ベオグラードに集結し、連邦議会やセルビア国営放送ビルを占拠した。これを受け、セルビア民主野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ氏は同日夕、「セルビアは解放された」と新大統領として“民衆革命”による政権奪取の成功を宣言、6日に新議会を招集する意向を表明した。ミロシェビッチ氏の動向は不明だが、権力基盤だった軍、警察も野党支持に動いたことで、13年間にわたるミロシェビッチ体制は民衆蜂起によって事実上、崩壊した。
この革命は大統領選挙が引き金になっているが、実際は、秘密警察や軍の特殊部隊などと緊密な連絡をとり、さらにはサッカーチームの「レッドスター(名古屋グランパスのストイコビッチ選手がかつて所属したチーム)」のサポーターに動員の確約を取り付けるなど周到な準備で行われたことが、当事者であるのチャチャク市(セルビア中部)のベリミール・イリッチ市長(49)の証言で明らかになった。
- プーチン ロシア大統領…9月3〜5日
- 金大中 韓国大統領…9月22〜24日
- 朱鎔基 中国首相…10月12〜17日
| 社会 |
9月2日、三宅村は全島民に島外避難を発令した。島を離れた島民たちは都営住宅などで避難生活を送っている。雄山は依然として大量の火山ガスを噴出しており、時折相模原周辺へも流れてきている。
スウェーデン王立科学アカデミーは10月10日、2000年のノーベル化学賞に筑波大学の白川英樹教授(64)ら3人に贈ると発表した。賞金は900万スウェーデンクローナ(約1億円)。日本人受賞者は9人目、化学賞としては2人目。
10月6日、鳥取県西部を中心に震度6強の地震が発生し、家屋の倒壊などの大きな被害をもたらした。
なお、この地震で気象庁が発表したマグニチュードが、実際の地震の規模とかなりの開きがあるという指摘があり、気象庁は、算出方法の検討をすることになった。
政府首脳は10月11日、シドニー五輪の女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手に国民栄誉賞を贈る方針を明らかにした。今回の授賞は、求心力を失っている森内閣の人気取りとの見方が強く、批判も多い。
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